海ガメの解体を見ました。
海ガメ(アオウミガメ)は、ダイビングなどで大人気の可愛い海のアイドルですが、
パラオ人にとっては、魚と同じく漁の対象であり、身近な食料です。
知り合いの家から、海ガメを獲ったとの知らせが入ったので、連れていってもらいました。
「見てもいいけど、泣くなよ」と散々脅されましたが、たぶん大丈夫。
行ってみると、民家の庭先で、1m 近いサイズの海ガメが捕らえられていました。
写真撮影用に手を離してくれた瞬間、ものすごい速さで逃げ出す海ガメ。
陸でこんなに速く動くカメを初めて見た・・・
あえなく捕まり、ひっくり返され、両足(腕)を縛られ、もう動けない。
あ~れ~
手足をつついてみたら、思ってたより柔らかくて、かわいい。
解体作業は大人5人がかり。手分けして、手際よく作業が進んでいきます
パラオ人男性は若者からおじさんまで、誰もが手順をちゃんと知っているらしい。
捌きたてのお肉は、お刺身として(醤油とワサビで)頂きました。
鶏肉と魚の中間みたいな見た目、味、食感。
臭みは全然ない。
血も飲んでみろと言われ、渡されたマグカップ一杯の新鮮な「血」・・・
さすがにゴクゴクは飲めない・・・。
舐めるだけにしておきました。ただの血でした。
内臓はいわゆる「モツ煮込み」にします。
細かく切ったモツと、玉ねぎ、ニンニク、パセリを炒めて醤油と塩コショウで味付け。
そこに先ほど取っておいた「血」を入れて一緒に煮込みます。
大量の血を入れる図・・・
これがパラオの海ガメ定番料理 「Freetada」。「フリータダ」。
つまり、フリー(英語)、タダ(日本語)。
昔は、モツなんて誰も食べない価値のないものだったため、この名前が付いたそうです。
(おっちゃん曰く)
味は、ニンニクがきいてて、クセもなく美味しい。
牛のモツ煮と言われても分からないです。
(血がたっぷり入っているので「鉄分感」は強め・・・)
食べられる部分を取り出して、残った甲羅も捨てません。
「その白い粉は何?」と訊いたら、「洗濯用洗剤!」とのこと
キレイに磨いた甲羅は、天日干しして、洗い流して、
置物や装飾品になったりするそう。
一匹丸ごと、血の一滴も無駄にすることなく活用。
ごちそうさまでした。